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中国株の動きにつながるかもしれない産業技術(テクノロジー)・動向の中で個人的に気になるニュース&世間で流行中の財テク(この言葉自体は死語ですな)&旅行中のテクテクを素材にします
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東北電力が基礎研究の成果を基に,日立造船と共同で以下のような装置開発に取り組むことになったようです.日経産業新聞2007年8月31日の記事を引用します.

:::::引用ここから::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

 東北電力はバイオディーゼル燃料(BDF)製造の副産物である廃グリセリンを生分解性プラスチック原料の乳酸に転換する研究に成功,日立造船と同技術を応用した原料製造装置の共同開発に乗り出した.地球温暖化対策として普及が進むBDFは副産物のグリセリンを処理することが課題で,乳酸として利用できれば市場の拡大に弾みが付く可能性もある.
 東北電力研究開発センター(仙台市)が稲のもみ殻から大量に酢酸を製造する過程の研究で,グリセリンを乳酸に変換できることを発見.その後変換の条件など基礎研究を重ね,アルカリ性の水と混合し,反応装置でセ氏300度,12メガパスカルの高温高圧で処理すると,生分解性プラスチック(ポリ乳酸)の原料となる乳酸に安定的に変換できることがわかった.
( ~ 中略 ~ )
 開発する大型装置はグリセリンの投入から乳酸の分離精製とポリ乳酸の製造工程で生じる廃液・水素ガスなどの分離回収を一貫して行う.グリセリンを1時間で6kg,年間で約52トン連続処理できる能力を持たせる予定.大量処理でデンプンを微生物発酵させる従来法と同じ廉価なポリ乳酸の方法を目指す.
( ~ 中略 ~ )
BDFは菜種油やパーム油などを原料とするディーゼル燃料.原料の植物が二酸化炭素(CO2)を吸収しているため,燃焼させても新たなCO2を発生させない「カーボンニュートラル」の燃料とされる.このため地球温暖化対策として欧州などで導入が進んでいる.ただ製造過程で生じる約10%のグリセリンの生産量も増加.欧州では保湿剤や飼料などに利用されているが,供給過剰となっている.

:::::引用ここまで::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

こりゃすごい技術ですよ!
なにがすごいか?というと,紙面に書いてある

・廃グリセリン(不純物を含むグリセリン)を安定してかなりの量,連続処理できる.
・グリセリンの処理によって乳酸が製造される.

のどちらも,工業的にも社会的・環境的にもすごく大きな意味があるんです.


まず食用油(油脂)からディーゼルエンジン用のBDFを作る原理については,ここで書くと長くなるので各自でググっていただければと思います.
(不親切でごめんなさい.簡単に言うすると「長い鎖状になっている食用油の大きな構造を,途中で鎖の繋がり切断することで構造を一部造り変えて,かつ小さくする」ということです).

先述の引用部分の最後にあるように,近年,欧州ではCO2による地球温暖化問題が取り上げられて以後,ガソリンエンジンよりもCO2排出量が少ないだけでなく,燃料消費量も少なくて,かつ税金も割安な軽油を燃料とするディーゼルエンジン車に注目が集まり,各メーカーとも技術開発に注力しています.
ガソリンに対してクリーンなエンジンという認識も広がってきていまして,例えばメルセデスベンツの最新ディーゼル車が搭載しているディーゼルエンジン技術は「ブルーテック」という,とても爽やかな名前ですし,実際にディーゼルエンジン車の普及率は,欧州全体でかなり高いです(国によっては50%程度というところもあるらしいです).
環境面でディーゼルエンジンの大きな問題点として知られているNOx(窒素酸化物)とPM(粒子状物質)もこのところの技術革新で相当改善しているようなので(ガソリンエンジンと“良い勝負”という話),今後ますます欧州ではディーゼルエンジンが普及するでしょうし,アメリカでもその兆しが出ています.
(日本では東京都知事になった“政治家もどき”の作家,石原慎太郎のネガティブキャンペーンのために,依然としてチョボチョボですけど)

さて,そのディーゼルエンジン搭載の自動車用燃料用途としてBDFの生産が周辺技術も市場も現状のまま順調に拡大した場合,その副産物のグリセリンを消費する市場も同様に拡大していくわけではないので,グリセリンが大過剰に生産されてしまいます.
もう“作られまくりの余りまくり”状態です.BDFの普及に合わせて欧米人がやたらと身体中にクリーム塗りまくるようになるわけではないですからね.(^-^;;)
もちろん,研究開発レベルではグリセリンを作らないようなプロセスのBDF製造方法が何種類かありますが,工業的(産業的)レベルで考えると,残念ながらまだまだ非現実的です.そういうことで,今の生産技術は副生成物としてグリセリンができるプロセスが一般的なのですが,現在はその利用方法を含めた処分に困っている大過剰のグリセリンから乳酸(ポリ乳酸)が連続して出来る(BDFからポリ乳酸まで連続一貫生産)となると,話はガラリと変わってきます.話をガラリと変えて,世界の大きな市場に活用できる技術が今日ご紹介した技術だということなんです.

なぜかというと,現状では工業的に生分解性プラスチック用の乳酸(正確にはポリ乳酸)が大きく不足しているんですよ.
「あ~今日も疲れたなあ.なんならオレの筋肉(血液)にたまった乳酸を提供するぜっ!」なんていうお気楽な話ではなくて.(^-^;;)

大過剰の厄介者を原料にして,不足している引っ張りダコのモノを作ることが出来るなんて,とても素晴らしいですよね.

以上,今日はここまでとして,ポリ乳酸と生分解性プラスチックの話はまたの機会にさせて下さい.中途半端で申し訳ありません.m(_ _)m
あ,それからバイオディーゼルの話が出たのでついでに書きますが,最近何かとホットな話題のバイオメタノール,そう簡単な話ではありません.みなさんご存じの食料確保とバッティングするということももちろんそうなんですけど,自然界がもしもひと言反論するとしたら,「セルロースを舐めるな!っちゅう話ですわ」と答えるでしょう.(^-^;;)
でも光明が見える部分もあるんですよ.
後日,チャンスがあれば改めて書きたいと思います.


それから燃料系の話が出たのでこれまたついでに書きますけど,石炭の液化とかガス化とか,中国は絶対やらないと思います.私,もう無責任に断言しちゃいますよ.(^-^;;)
ちなみに私が考える「中国がやらない度数」は
石炭の液化:512M%
石炭のガス化:256M%
です.
こんなことやるくらいなら,政府はペトロチャイナやサイノペックやCNOOCのケツを血が出るほどに叩いて,石油や天然ガスを血眼になって探索させるでしょう.
そうそう,石炭についてはまた新しい利用技術ができそうだということですよ(この技術も“日本発”です).

これらについても,また今度キチンと記事にできればいいなあと思います.
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